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ドクターが教える!病気あれこれ

呼吸器外科

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肺癌

1.はじめに

 ここ10年、肺癌の患者は確実に増加しています。2003年の厚生労働省の人口動態調査によると、すべての癌患者の中で死亡率のトップは肺癌です。男性では1993年からそれまで1位であった胃癌を抜いて以来ずっと1位で、女性でも2003年の時点で大腸癌、胃癌に続いて3位です。

2.肺癌の症状

 肺癌の一般的な症状は、治りにくい咳、痰、血痰、喘息様の呼吸、声かすれなどですが、肺癌は初期の段階ではなかなか症状が出にくく、症状が出た時にはすでに手遅れであることも少なくありません。そのため、初期で見つかる肺癌は人間ドックや、健康診断や、他の病気で通院中に偶然に見つかったというのが圧倒的に多く、治療成績も比較的良好です。 しかし、症状が出てから見つかった肺癌は進行性のことが多く、治療成績はあまり良くありません。肺癌全体では手術できるのが30~40%の人で、すべての肺癌患者の5年生存率は約30%です。

3.予防

 肺癌の予防法として確立されているのは禁煙と特殊な職業の方はアスベスト(石綿綿)を吸引しないことです。特に喫煙に関しては、一日の本数×喫煙年数が400を越えている人は、肺癌発生率が非喫煙者の約4倍と言われています。

4.肺癌の種類

 肺癌には多い順に腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌と4種類の細胞がありますが、治療法の違いから小細胞癌と、それ以外の癌(非小細胞癌)に大きく分けて分類します。小細胞癌はかなり早期の段階でしか手術は行わず、主な治療は抗癌剤と放射線です。非小細胞癌はその進行度にもよりますが、なるべく手術を行い、場合によりその後に抗癌剤や放射線を追加で行うという治療になります。

5.肺癌の進行度(病期)

非小細胞癌ではⅠ〜Ⅳに分類します。

病期Ⅰ: 癌が5cm以内の大きさで、周辺への転移がないもの
病期Ⅱ: 癌病巣のすぐ近くのリンパ節への転移があるもの
病期Ⅲ: 癌病巣から離れたりンパ節(心臓や太い気管の周囲)に転移があるもの
周囲の重要な臓器に浸潤しているもの
病期Ⅳ: 肺とは離れた臓器(脳、肝臓、骨など)に転移があるもの

 このうち手術の対象となるのは病期Ⅰ、ⅡとⅢの一部の人です。病期Ⅲの残りの人とⅣの人は抗癌剤や放射線の治療になります。
 小細胞では、限局型と進展型に分類します。手術は限局型のごく一部の人のみに行いますが、全例に抗癌剤治療と場合により放射線治療を行います。

6.肺癌の予後

 非小細胞癌の5年生存率(治療開始から5年間生存する割合)は、病期Ⅰで約70%、病期Ⅱで約50%、病期Ⅲで約20%です。病期Ⅳでは1年生存率が約30%ときわめて予後不良です。
 小細胞癌では限局型では2年生存率が約50%、5年生存率が約25%です。進展型では3年生存率が約10%と予後不良です
 しかしこれらの成績はあくまで統計上のものであり、必ずしもすべての肺癌の人に当てはまるものではありません。予後は個人個人の体力や一般的な健康状態に深く関わってきます。

7.おわりに

 当院では、肺癌の治療を積極的に行っております。手術はもちろんですが、呼吸器内科と協力し、再発や切除不能の症例に対しても抗癌剤投与を行ったり、近医との連携により放射線治療も行います。万一、肺癌と診断されたらなるべく早い時期にご来院下さい。

気胸

1.気胸とは

 気胸とは、肺から空気がもれ出し肺が縮んだ状態を言います。その原因により次のように分類します。

(1) 自然気胸 (特発性)
肺のう胞(肺を包む膜が一部、袋状に膨らんだもの)が破れて空気がもれ出した気胸
(2) 続発性気胸
肺癌や結核、肺膿瘍などの病巣から空気がもれ出した気胸
(3) 外傷性気胸
交通事故などのけがに伴う気胸
(4) 月経随伴性気胸
子宮内膜が肺や横隔膜に存在し(異所性子宮内膜症)、生理の時に脱落し、肺や横隔膜に穴があくため起こる気胸

 これらの中で、圧倒的に頻度が高いのは自然気胸(特発性)であり、全体の90%以上を占めます。以下、自然気胸について述べます。

2.自然気胸の原因

 先ほど述べた通り、自然気胸の原因は肺のう胞の破裂にあります。肺のう胞の成因は明らかにはなっていませんが、20歳前後の背が高く痩せた人に多く見られます。
そのため自然気胸の発症も、20歳前後の若い人に多く見られます。若い人ほどではありませんが、高齢者にもたびたび自然気胸が発症します。,高齢者の場合は、肺気腫という肺の組織がこわれる病気がもともとあります。肺がこわれた部分が袋状になり、大きな肺のう胞をつくります。これが破れると若い人同じく気胸を発症します。

3.自然気胸の治療

 自然気胸の治療には、次のようなものがあります。

(1) 安静
軽症の気胸であれば、肺のう胞の穴はすぐにふさがり、安静だけで、もれた空気は吸収され気胸は軽快します。
(2) 胸腔ドレナージ、脱気
もれた空気の量が多い場合は、胸に細い管(胸腔ドレーン)を入れ、空気を外に排出して縮んだ肺を膨らまします。
これらの治療は体への負担は少ないですが、再発率が高いという弱点があります。初回では約50%、2回目では約70%、3回目以降は約80%が再発すると言われています。
(3) 癒着療法
胸腔ドレーンから炎症を起こさせる薬剤を胸の中に注入し、破れた穴をふさぎ、さらに肺と胸壁を癒着させて肺が縮まないようにします。高齢者や他の病気のため手術ができない人に行いますが、成功率は約30%とあまり高くはありません。
(4) 手術
手術の適応は次の通りです。

 1) 再発気胸
  2回目以降の気胸は高率に再発するので手術を勧めます。

 2) 長引く空気もれ
  初回気胸でも肺からの空気もれがなかなか止まらず、肺が膨らまない人。
  (目安は5〜7日以上)

 3) 両側気胸
  反対側の肺でも気胸が発症した事がある人。
  (同時発症だと呼吸困難で死亡することもある)

手術には以下の2通りがあります。

(1) 胸腔鏡手術
胸壁の3ヶ所に2cm程度の切開をおいて、そこから胸腔鏡(カメラ)や自動吻合器(肺を切る道具)を入れて行う手術です。術後の痛みも少なく早期に退院できますが、再発率が約10%とやや高いのと、胸腔内の癒着がひどいと行えないのが弱点です。
(2) 開胸手術
胸壁を約15〜20cm切開し、直接目で見て行う手術です。再発率は数%と低いですが、術後の痛みが強く退院も遅れがちになります。

以上、気胸という病気と治療について説明してきました。当院ではほとんどの手術症例を胸腔鏡で行っております。また、クリニカルパスの導入により、術後最短3日で退院を可能にしております。気胸でお困りの方は是非ご来院ください。

その他

他にも縦隔腫瘍、転移性肺癌、膿胸などに対しても可能であれば手術を行っています。
一度御相談下さい。