町田市民病院 HOME > ドクターが教える!病気あれこれ > 縦隔腫瘍
縦隔腫瘍
概要
縦隔(じゅうかく)とは左右の肺に挟まれた胸の中心の領域で、文字通り左右の胸を縦に隔てています。縦隔には、心臓、大血管、気管、胸腺(きょうせん)、神経などが収まっています。縦隔からは良性悪性含めて様々な腫瘍が発生しますが、縦隔に発生した腫瘍を総じて縦隔腫瘍と呼んでいます。縦隔腫瘍の大部分は治療方法として手術が第一選択になります。
胸部CT(体を真横から見たところ。写真の左がお腹側、右が背中側。)、大まかな縦隔の区分です。
縦隔の区分は縦隔腫瘍を知るうえで大切です。その理由は、縦隔の場所ごとに代表的な腫瘍が知られているからです。以下に縦隔の区分と、そこに発生しやすい代表的な腫瘍を述べます。
上縦隔:甲状腺腫
前縦隔:胸腺腫瘍(胸腺腫・胸腺嚢胞(のうほう)・胸腺癌)、奇形腫、胚細胞性腫瘍
中縦隔:心膜嚢胞、気管支原性腫瘍、リンパ腫
手術方法
町田市民病院外科では上記疾患のいずれも対処できます。縦隔腫瘍に対する手術方法として胸腔鏡(内視鏡を用いた方法)手術、開胸(胸の横を切る方法)手術、開縦隔(胸の真ん中を切る方法)手術のいずれにも対応が可能です。手術は体に負担が少ない胸腔鏡手術(内視鏡手術)を積極的に行っていますが、腫瘍の場所や特性、周囲の臓器への浸潤などを考慮して適切な術式を選択しています。
胸腺腫の胸部レントゲン:腫瘍の右側の輪郭が見えます(黄色い矢印)
胸腺腫の胸部CT:前縦隔に腫瘍を認めます