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橈骨遠位端骨折
概要
手のひらをついて転んだり、自転車やバイクに乗っていて転んだりしたときに、前腕の2本の骨のうちの橈骨(とうこつ)が手首のところ(遠位端)で折れる骨折です。
特に閉経後の中年以降の女性では骨粗鬆症で骨が脆くなっているので、簡単に折れます。若い人でも高い所から転落して手をついたときや、交通事故などで強い外力が加わると起きます。子供では橈骨の手首側の成長軟骨板のところで骨折が起きます。
いずれの場合も、前腕のもう一本の骨である尺骨の先端やその手前の部分が同時に折れる場合もあります。
出典:日本手外科学会「手外科シリーズ 13」 |
症状
手首に強い痛みがあり、短時間のうちに腫れて来ます。けがの仕方によって違いますが、手のひらをついて転んだあとでは食器のフォークを伏せて置いたような変形が見られます。
手がブラブラで力が入らず、反対側の手で支えなければならなくなります。ときには、折れた骨や腫れによって神経が圧迫され指がしびれることもあります。
出典:日本手外科学会「手外科シリーズ 13」 |
検査方法
- X線(レントゲン)検査
- CT検査
治療方法
先ず、手を指先の方向に引っ張ってずれた骨片を元に戻す整復操作を行ないます。引っ張る力をゆるめても骨片がずれないときは、そのままギプスやギプスシーネで固定します。引っ張る力をゆるめると骨片がずれて来るものや、手首の関節に面する骨片の一部がずれたままで整復出来ないものは手術が必要になります。
手術にはX線で透視しながら、鋼線を刺入して骨折部を固定する経皮鋼線刺入法や手前の骨片と手首側の骨片にピンを刺入してそれに牽引装置を取り付ける創外固定法と、骨折部を直接開けて骨片を整復してプレート固定する方法があります。ネジとプレートがかみ合う「ロッキングプレート」が開発されてからは、プレートで固定して、早くから手首の関節を動かせる方法がよく用いられるようになっています。