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ヘルニア
概要
ヘルニアとは本来ならば腹腔内にあるはずの腹膜や腸の一部が、筋膜の間から皮膚の下に出て来る疾患のことを指します。成人の場合は運動不足や手術などにより組織が弱くなることが要因ですが、小児の場合は先天的な要因がほとんどです。ヘルニアが生じる場所によって鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニアなどがありますが、ここでは主に鼠径ヘルニアに関して説明します。
症状
鼠径ヘルニアの症状は立った時やお腹に力を入れた時(重いものを持ち上げた時やいきんだ時など腹圧がかかる時)に鼠径部の皮膚の下に腹膜や腸の一部が脱出し、柔らかい腫れとして自覚します(ヘルニア状態)。初期の段階では腫れの部分を押しこむとお腹の中に戻りますが、症状が進行してくるとお腹の中に戻りにくくなり、場合によっては腸の一部が締め付けられ痛みを伴うことがあります(嵌頓状態)。嵌頓状態が続くと腸への血流が乏しくなるため腸壊死を起こす危険性もあります。
検査方法
鼠径ヘルニアの診察は問診・視診・触診でほとんどが診断できます。診断が困難な場合にはCTなどの画像検査を行うことがあります。
治療方法
基本的に手術による治療が選択されます。手術の基本はヘルニア内容物(ヘルニア嚢・腸の一部)をお腹の中に戻し、ヘルニアの出口(ヘルニア門)を閉鎖することです。ヘルニア門の閉鎖方法に関しては様々な方法がありますが当院ではMeshを用いたTension Free Repairと呼ばれる方法での治療を行っております。術後の痛み、つっぱり感が少なく、早期に社会復帰が可能となります。
術前 術後 Mesh
治療実績
当院では年間150-200例の鼠径ヘルニア手術を行っております。もちろん成人だけでなく、小児の手術も行っております。また、大腿ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニアなどほかのヘルニアの手術も行っておりますので外来で相談してください。
当院における治療実績(成人)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | ||
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総手術件数 | 171 | 170 | 146 | |
右 | 87 | 91 | 76 | |
左 | 64 | 65 | 50 | |
両側 | 10 | 7 | 10 | |
男/女 | 148/11 | 140/22 | 119/16 | |
年齢 | 72.6(19-92) | 71.8(21-99) | 75.4(46-92) | |
嵌頓症例 | 4 | 3 | 3 |