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頚椎症性脊髄症
概要
頚椎とは首の背骨のことで、脊髄とは頚椎の脊柱管(骨の孔)の中を通る中枢神経のことです。頚椎症性脊髄症とは、加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化によって、脊髄が圧迫されることによってでる症状のことです。
日本人は脊柱管の大きさが欧米人に比較して小さく、「脊髄症」の症状が生じやすくなっています。
出典:日本手外科学会「手外科シリーズ 12」 |
症状
ボタンのはめ外し、お箸の使用、字を書くことなどが不器用になったり(巧緻運動障害)、歩行で脚がもつれるような感じや階段で手すりを持つようになったりという症状が出ます。手足のしびれも出てきます。
比較的若年の方であれば、かけ足やケンケンをしにくくなるなどの軽度の症状を自覚できますが、高齢者では気づくのが遅れる場合があります。
検査方法
症状と四肢の反射の亢進などの診察所見があり、X線(レントゲン)所見で頚椎症性変化を認め、MRIで脊髄の圧迫を認めることで診断します。
中年以降ではX線での頚椎症性変化はほとんどの人に見られますし、MRIでの脊髄圧迫所見があっても症状のない場合でも見られますので、検査所見だけで診断することはできません。
神経内科の病気の一部は症状がよく似ている場合がありますので、注意が必要です。
治療方法
転倒などの軽微な外傷で四肢麻痺(脊髄損傷)になる可能性が存在しますので、転倒しないように注意します。症状が軽度な場合はリハビリテーションや装具療法、痛みがある場合は痛み止めなどの保存治療を行います。
一般的に日常生活に支障があるような手指巧緻運動障害がみられたり、階段昇降に手すりが必要になったりすれば、手術的治療をお勧めしています。
手術療法
狭くなった脊柱管を広げる脊柱管拡大術を行います。術後は3ヶ月ほど装具を着用していただきます。