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外傷性頚部症候群
概要
交通事故などで受傷時に反射的に頚椎に対する損傷を避ける防御のための筋緊張が生じ、衝撃の大きさによっては筋の部分断裂や靭帯の損傷が生じています。
受傷後しばらくの間(1~3か月)は局所に痛みが生じますが、この期間に局所を安静にする習慣がつけば痛みが長引く原因となります。骨折や脱臼がないのに長期にわたって頚椎のカラー装着を行うと、頚部痛や肩こりが長期化する原因となります。
症状
交通事故などで頚部の挫傷(くびの捻挫)の後、長期間にわたって頚部痛、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれ、などの症状がでます。X線(レントゲン)検査での骨折や脱臼は認められません。
「むち打ち損傷」「外傷性低髄液圧症候群」「外傷性髄液減少症」などの正確ではない病名が付いていることも少なくありません。
検査方法
X線・MRIとも年齢に応じた変性変化を認めますが、外傷との関係はありません。骨折や脱臼がないことは確認が必要です。
頚椎症による骨棘があると、MRIでは椎間板の後方への膨隆に見えるため、誤って「椎間板ヘルニア」と誤って診断される場合もあります。
治療方法
骨折や脱臼がなければ、受傷後2-4週間の安静の後は頚椎を動かすことが痛みの長期化の予防となります。安静期間はできるだけ短い方がよいでしょう。慢性期には安静や生活制限は行わず、ストレッチを中心とした体操をしっかり行うことが最良の治療となります。