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変形性膝関節症
概要
いわゆる膝関節の軟骨が擦り減っている状態です。65歳以上で急増します。男女比では1:4と女性に多くみられます。85%が内反膝(O脚変形)です。国内では有症状者数は推定で約820万人と言われています。原因として加齢や肥満、外傷(骨折、半月板損傷、靭帯損傷等)、関節炎(関節リウマチや膝関節の感染等)、骨壊死等があります。
症状
初期は歩き始めや立ち上がり時などの動作の開始時に痛みを感じます。次第に動作の度に痛みを感じるようになり、特に階段や坂道の上がり下り(特に下り)で痛みます。末期には立つことが困難になります。変形が進むと関節の可動範囲が制限されます。
そのため正座やしゃがみ動作が困難になります。また関節の腫れや膝関節周囲の筋力が委縮します。
検査方法
レントゲンで変形の程度を評価します。関節のすきまの狭さの程度や骨の棘の有無を確認します。必要に応じてMRIも行います。
治療方法
多くは保存療法(非手術)で症状が改善します。
日常生活動作の指導、減量や適切な方法での大腿四頭筋の筋力強化や水中歩行などの運動療法も有効です。サポーターや軽度のO脚矯正のための足底板を処方することもあります。症状にあわせて消炎鎮痛剤などの内服薬や湿布を処方します。状態にあわせてヒアルロン酸等の関節注射を行います。以上の保存治療を行っても症状があり、日常生活に支障を来したり、今まで出来ていた活動が制限されてしまうようであれば手術療法をお勧めします。手術方法は関節鏡、高位脛骨骨切り術(脛骨を切ってO脚を矯正する)、人工膝関節置換術があります。