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ドクターが教える!病気あれこれ

胃癌

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胃の病気について

胃は口から摂取した食物を一時的に貯蔵し、胃酸によって食物を細かくして腸に送り出す臓器です。多くの病気は、その胃酸によって痛みや出血を来すことで症状となって現れますが、早期癌やごく浅い潰瘍などは無症状の場合があります。現在、当院では年1回の胃の精密検査(バリウム・胃カメラ)をお勧めしています。以下に、当科で治療している主な胃の疾患について説明します。

  1. 胃癌:日本人に多く、胃の粘膜から発生するため、痛みや吐血・下血を来すことがあります。早期癌の段階では症状がないことも少なくありません。
  2. 胃粘膜下腫瘍:そのほとんどは良性の腫瘍です。しかし、大きくなってくるものの中にGIST(Gastro Intestinal Stromal Tumor)というものがあります。これは転移をきたすことで生命に関わることが分かってきております。発生母地は粘膜ではないために、大きくなるまで無症状であることがほとんどです。
  3. 胃リンパ腫:胃癌と似た顔つきをしていますが、組織学的に異なります。ヘリコバクターピロリ菌の除菌を行うことで治癒できるタイプもあります。詳しくは担当医にご相談ください。
  4. 胃・十二指腸潰瘍:そのほとんどは、胃酸を抑える薬で治癒します。しかし、大きくなってしまった潰瘍や穴があいてしまった潰瘍は腹膜炎をおこし、手術が必要となる場合があります。

その他にも、さまざまな病気があります。外来にて対応しますので遠慮なくご相談ください。

当院の胃癌治療の流れ 主に、胃カメラ・胸部腹部CT検査・超音波検査・MRI検査・(大腸カメラ) ②完全腹腔鏡下手術、③開腹手術、④術前補助化学療法、⑤抗癌剤治療 術後補助化学療法(主に経口抗癌剤)定期的に外来で採血・CTを行います 再発・転移を認めた場合は、主に点滴抗癌剤治療

※図内のA、B、Cをクリックすると、詳しい説明にジャンプします。

A.手術までの精密検査

1.胃カメラ

全患者に施行します。切除範囲や手術方法を決定するための検査なので、ご紹介元の先生のところで受けた方も施行させていただくことをご了承ください。当院では、拡大内視鏡検査・超音波内視鏡検査などを用いて胃癌の広がりや深さの診断に努めています。

2.胸腹部CT検査

胃癌診断時における転移の有無や広がりを調べるための検査ですのでほぼ全ての患者に受けていただきます。

3.腹部超音波検査・MRI検査

腹部CTなどで診断困難な場合などに追加して行う検査です。

4.大腸カメラ

すべての患者ではありませんが、同時に大腸癌が見つかる場合があります。半年以内に他院で行った方は申し出てください。

5.胃バリウム検査

昔ながらの検査方法ですが、癌の広がり診断などに有用な場合がありますので行うことがあります。

6.採血

手術前の健康状態を知る必須の検査です。手術のための特別な検査も含まれるため、場合により複数回に分けて行うこともあります。

B.治療の概要

胃癌は、「表在型(早期胃癌)」と「進行型(進行胃癌)」に分類されます。これは、転移の有無は関係なく癌の深さで判断するものであり、精密検査で「進行型(進行胃癌)」と診断を受けてもあきらめる必要はなく充分に治療を受けることが可能です。以下には主に当院での治療内容をご紹介します。

①内視鏡治療

胃カメラを用いて行う治療です。当院では主に内科が担当し一般的には「表在型(早期胃癌)」と診断された方に行われる治療法です。切除した胃癌を病理検査で検討した結果、追加治療として外科的治療が必要となる場合があります。

②完全腹腔鏡下切除

腹腔鏡下切除とは、腹部に5mm~10mmほどの穴をあけ、そこから鉗子(かんし)(写真)という手の代用となる器具を用いて胃を切除する方法です。当院ではハイビジョン腹腔鏡手術システム(写真)を導入し、手術の精度をさらに高める工夫をしております。また、切除から再建(食事摂取が出来るようにつなぎかえる)までの全ての行程を腹腔鏡下に行い、術後の早期回復・疼痛の軽減・傷の整容性に努めております。

手術後の創部写真:苦手な方はご注意ください。
臍とその他に5〜10mm程度の傷が残るだけです。

鉗子の一部

ハイビジョン腹腔鏡手術システム

腹腔鏡下手術は保険診療となっていますが胃癌治療のガイドラインでは臨床研究の位置付けです。また、腹腔鏡手術の充分なトレーニングを積んだ医師を中心とし、一部の進行胃癌に対しても行っています。

以下に主な腹腔鏡下手術の術式を列記します。 a. 胃全摘出術:胃を全部摘出します。(残胃全摘を含む) b. 幽門側胃切除術:胃の出口側2/3の切除を行います。 c. 縮小手術:胃分節切除、胃局所切除、幽門保存胃切除など d. バイパス手術:切除困難な癌に対し食事摂取が出来るようにつなぎかえる手術です。

幽門側胃切除術の1例
切除後の写真(苦手な方はご注意ください。)
切除後(リンパ節郭清後)
再建後の写真(苦手な方はご注意ください。)
再建後(ビルロートⅠ法)

③開腹手術

従来の一般的な手術方法です。体型にもよりますが、臍までの皮膚切開で行います。定型手術の位置付けで、主な対象は「進行型(進行胃癌)」となります。ガイドラインに則した治療が中心となり、一部、癌が周囲の臓器(膵臓や大腸)に浸潤していた場合などにも適応とし、合併切除を行っています。

④術前補助化学療法

対象は「進行型(進行胃癌)」です。精密検査でリンパ節転移を伴うStageⅡ〜Ⅲが中心となります。ガイドラインでは臨床研究の位置付けとされています。その目的は、手術での根治性を高めることを目的とし、再発の一要因となる微小転移の消滅や縮小を図り、その後に小さくなった胃癌や転移巣を切除する集学的治療です。術後の化学療法に比べ、より強力な化学療法が可能なため、切除率の向上や他臓器合併切除の回避が期待できます。しかし、癌が化学療法に耐性の場合は、病変がさらに進行し、手術時期を逸する危険性があります。当院では経口抗癌剤とシスプラチンという点滴抗癌剤を併用した治療を中心に行っています。手術は開腹手術が中心となりますが、抗癌剤の効果の程度によっては腹腔鏡下手術でも治療を行っています。

手術治療を受けた患者を対象に、栄養士からの食事摂取指導や退院後の注意点などの指示を受けていただきます。退院後の初めの外来は2週間から1カ月程度を原則として受診していただきます。

⑤抗癌剤治療

進行胃癌が中心で、主に肝臓などの遠隔転移やリンパ節転移、または他臓器浸潤により切除不可能な胃癌が対象となり抗癌剤治療を行います。現在のガイドラインでも原発巣だけ切除する減量手術の意義は不明とされ、遠隔転移をのこしたまま胃癌だけをとることは推奨されていません。精密検査にて抗癌剤治療となった場合には、胃癌を専門とした医師を中心に化学療法を導入しております。

主に手術治療を受けた患者については、術後に栄養士からの食事摂取指導や退院後の注意点などの指示を受けていただき、自宅療養に不安のないように退院を迎えていただきます。退院後の初めの外来は2週間~1カ月程度を原則とし受診していただきます。

C.術後の外来通院について

外来受診までの間に、切除した胃癌に対しての病理学的検討がなされ、胃癌の大きさやリンパ節転移の有無が判明します。その後、自宅での食事摂取や全身状態を観察しながら適当と判断された時期より、経口抗癌剤治療が開始される場合があります。現在までの研究結果では、StageⅡ以降の患者には何らかの抗癌剤治療が有効とされています。外来通院の頻度は、経口抗癌剤がない患者は3カ月~6カ月置き、経口抗癌剤がある患者は2週間~1カ月のペースで外来通院していただきます。その間に、採血検査やCT検査(4~6カ月に1回)を行いながら経過をみていきます。再発・転移が認められた場合には、主に点滴の抗癌剤を追加した治療を行います。