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MRI
MRIとは?
MRIとは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging )の略称で、放射線を使用せずに、磁気共鳴反応を用いて画像を作成する装置です。MRIは円筒形をした強力な磁石で、患者には寝た状態でその筒の中に入っていただきます。磁石の中で身体に電波を与えると、体内の水素原子がその電波の周波数に共鳴します。電波を止めると共鳴した水素原子から微弱な電波が発生します。 MRI装置はこの微弱な電波を受信して、その信号をコンピュータで画像化する装置です。
MRI検査の特徴は?
- 1. 時間
- MRIは検査時間が長く、短い検査でも20分、長い検査で40分程かかります。
- 2. 音
- 検査中は工事現場のような大きな音が鳴り続けます。そのためヘッドホンや耳栓などで防音対策を行います。
- 3. 金属
- MRI装置は強力な磁石になっているため、検査室への金属類の持ち込みはできません。また、体内に金属製の医療器具が埋め込まれている場合には、検査を行えないこともあります。特にペースメーカーが埋め込まれている方はMRI検査を行うことはできません。
- 4. 狭所
- 患者には寝た状態で狭い筒の中に入っていただきます。極度に狭いところが苦手な方には、精神的な苦痛が伴うかもしれません。苦手な方はお申し出ください。
- 5. 放射線被曝が無い
- MRIは放射線科で唯一、放射線(X線)を使用しない検査です。
MRI画像の特徴は?
- 1. 組織コントラストが高い
- MRIの画像はコントラスト(濃淡)の表現がとても豊かなため、各臓器の内部構造や、筋肉・靭帯・腱といった関節内の様子もとても明瞭に描出できます。
- 2. 造影剤を使わなくても血管を描出できる
- MRI以外の検査で血管を撮影するためには、必ず造影剤を使用しなくてはなりません。しかし、MRIでは造影剤を使用しなくても血管を描出することができるため、患者への負担(侵襲度)が少なく、また、喘息や腎機能の低下により、他の検査で造影剤を使用できない方にも有効な検査です。
- 3. 空気に弱い
- 肺や腸管といった空気を含んでいる臓器は、MRIでは画像が歪むため、あまり検査対象にはなりません。
- 4. 動きに弱い
- MRI検査は一度の検査でコントラストの異なる画像を数種類撮影し、それらを比較することで病気の診断を行ないます。一種類の画像を撮影するためには約3分ほど掛かりますが、その間に身体が数秒でも動いてしまうと、その画像(3分)は全てボケてしまいます。
- 5. 多様な造影剤
- MRIで使用する造影剤には通常使用する造影剤のほかに、肝臓に特異的に集積する造影剤や、飲用する造影剤などがあります。また、造影剤を使用した血管撮影(MRA)では、血管の形態評価だけではなく、血流の動態評価(MRDSA)も行うことができます。
当院のMRI検査画像
脊椎 | 頭部 | 膝 | MRCP | 乳房 | 下肢MRA |
心臓 | 頭部MRA | 女性骨盤 | 肝臓 | ||
肩 | 頚椎 | 手関節 | MRS |
造影剤を使用した頭頚部のMRA(MRDSA)
血管の形態を三次元で評価でき、同時に血流の動態評価も行えるのが造影MRAの特徴です。
MRIとCTはどちらの方がいいの?
MRIとCTはどちらも身体の輪切りの画像なので、分からない人が見ると同じように見えるかもしれません。しかし、お互いの撮影原理はまったく異なるため、お互いの特徴も異なります。特に上記に記載した「MRIの特徴」は、CTと比較したときの代表的な違いです。
それでは、CTとMRIはどちらの方が優れているのでしょうか?その答えは検査の目的によって異なります。
例えば「頭」の検査をしたいとき、
- 出血をみたいのか、梗塞をみたいのか
- 発症時期が急性期なのか、慢性期なのか
- 病変が大脳にあるのか、小脳にあるのか
- 骨をみたいのか、軟部組織をみたいのか
- 造影剤を使えるのか、使えないのか
このように検査の目的によっては、MRIの方が優れている場合があったり、反対にCTの方が優れている場合があったり、また、どちらでも遜色がない場合もあります。決して、どちらかが一方的に優れているわけではありません。主治医は、MRIとCTのお互いの特徴を理解したうえで、病気の種類や検査する部位、発症時期や目的によってMRIとCTを使い分けているのです。