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季刊「まちだ市民病院クォータリー」

【当院のがん治療④】内視鏡手術支援ロボット ダヴィンチ(Da vinci X)を導入


町田市民病院に最新の医療機器を導入しました

当院に最新の医療機器である内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ(Da vinci X)」(以下、「ダヴィンチ」といいます。)を2022年12月9日に導入し、2023年2月に最初の手術を実施しました。南多摩保健医療圏の医療機関では、初めての導入となります。
そこで当院のがん治療シリーズの第4弾は、ダヴィンチについてご紹介いたします。


ダヴィンチとは

ダヴィンチは、腹腔鏡や胸腔鏡などの鏡視下手術をサポートする医療機器で、ダヴィンチを使用して行う手術を「ロボット支援手術」と言います。ロボットといってもダヴィンチ自体が自動で手術を行うわけではなく、トレーニングを積んだ医師が遠隔で操作して手術を行います。

ロボット支援手術のメリット

低侵襲

従来の開腹手術に比べて、数か所の小さな切開部から手術が可能なため、出血が抑えられ、患者さまの体への負担が軽減されます。

開腹手術とダヴィンチ手術の切開部分の違いのイラスト。ダヴィンチ手術は切開部が小さい。

高精度かつ高い安全性

アームに取り付ける手術器具(鉗子)は可動域が非常に広く、540度もあります。人間の手首と比べると圧倒的に広く、これまでの手術では行うことの難しかった複雑な作業も可能となります。
さらに、手先の震えが鉗子に伝わることを防ぐ「手振れ補正機能」がついているため、高い集中力が必要とされる細かな作業でも正確に、より安全に手術が行えます。

手首の可動域のイメージ画像

3Dビジョン

従来の鏡視下手術では、医師は二次元画像を元に手術を行っていましたが、ダヴィンチによるロボット手術では3D立体画像を見ながら手術が可能です。また、ズーム機能も搭載されており、医師は手術箇所を正確な距離で明瞭に視認することができます。

3D立体画像イメージ

ダヴィンチの構成・手術の流れ

手術は、患者さまのお腹に開けた小さな穴から、②ペイシェントカートのアームに取り付けたカメラと手術器具を体内に入れて行います。執刀医は、③サージョンコンソールに座ってアームを操作し遠隔で手術を行います。手術の様子は①ビジョンカートのモニターに映し出されます。
ダヴィンチは、以下の3つの機器によって構成されています。
①ビジョンカート
モニター、電気メス、気腹装置などロボット手術で必要な機器
②ペイシェントカート
4本のアームで構成され、カメラ、専用の鉗子、縫合用の機器など装着するシステム
③サージョンコンソール
執刀医がカメラや鉗子を操作するシステム

当院で対象となる疾患

領域 疾患名 術式
泌尿器科領域 前立腺がん 前立腺悪性腫瘍手術
消化器外科領域
(下部消化管)
直腸がん 直腸切除・切断術
(切除術、低位前方切除術、切断術)
※いずれも保険診療での手術が可能です。

当院でのロボット支援手術をご希望される方へ

まずはかかりつけ医にご相談いただき、紹介状をお持ちの上、ご受診ください。

町田市内の連携医療機関の皆さまに向けて、ダヴィンチ見学会を開催しました

市民病院は、地域で良質な医療を提供するため、かかりつけ医との連携を深め、支援することを目的に「連携医制度」を行っています。今回、町田市内で連携医療機関としてご登録いただいている医療機関の皆さまに向けて、ダヴィンチの見学会を実施しました。

当日は会場にダヴィンチを配置し、実際にダヴィンチを操作していただいたり、当院の医師と活発に意見交換をしていただきました。
今後も引き続き、地域の医療機関との連携を密にして、質の高い医療を提供できるように職員一同、努力してまいります。